就農ガイダンス
 農業を始めるにあたっての心構え

1.農業に対する自分の本当の気持ちを冷静に見つめてみよう。

  あなたが、 農業をやりたいと考えた動機は何ですか?
    ●無農薬や有機農産物を作りたいから
    ●会社勤めより楽しそうだから
    ●田舎の暮らしや自然に囲まれた生活にあこがれるから
などという理由であれば、もう一度考え直してください。
  農業という職業で成功するには、多くの努力を必要とします。農業は自然が相手であり、思いもよらない事態が数多く発生します。また、1つの会社と同じですから、栽培技術のみならず消費の動向までをも把握した経営手腕が問われます。また、無農薬や有機農産物は農業の基礎技術を習得してから考えましょう。
  短絡的な思いつきや、現実逃避型の就農では、家族や周囲の農家の人々にも迷惑をかけるだけで終わってしまいます。
  「どんな困難があっても農業がやりたい」という気持ちがなければ難しいと思ってください。

2.明日から、農業者?

  サラリーマンの場合には「明日から出社してください」と言われるとすぐにその社員となり、1ヶ月後には給料をもらうことが出来ます。しかし農業の場合には、「明日から農業をやるぞ」とどんなに意気込んでも、決して農業者にはなれません。まず、必要な農業技術の習得と資金や農地、機械・施設が確保できて初めて農業経営が開始できます。ただし、1ヶ月を単位に農作物が成長するわけではありませんので、所得を得るのに米作や1年生作物のほとんどが、播種から収穫まで6ヶ月は必要です。
  農業法人に就職する場合でも最初の1年間は研修生扱いになる場合が多いことを考慮に入れておきましょう。

3.新規参入希望者の方は「ゼロ」からのスタート

  親の農業経営を継ぐという方の場合と違い、ゼロからのスタートですから、初期の設備投資に相当するお金が必要となります。いろいろな制度資金を活用したとしても、ある程度の自己資金は必要です。また、生活資金も作目によって異なりますが、概ね2~3年分を目安に準備しておきたいものです。また、これまでのサラリーマン生活と一変し、家族単位で農業をすることになりますので、奥さんや子供さんの協力が得られるよう、事前に十分な話し合いが必要です。併せて、都市部と違い周囲の生活環境も一変することも考慮に入れておいてください。

4.農村に住むということ

  農村では、村の住民との付き合いがあります。よく「閉鎖的」「よそ者を受けつけない」と言われます。しかし、それは都市部の便利な生活と違って、農村部では共同作業が必要だからなのです。農村に住む農家では、先祖代々からその地に住み、農業や生活の上で様々な共同作業を行ってきました。そのため住民どうしのつき合いが都市部と比べて強いのです。
  新たに農業経営を始めるには、その農村で生活をすることになります。つまり「農村社会の一員」となるわけです。農村では農業用水の利用に伴う共同作業など直接農業に係ることや、農村特有の伝統行事、習慣など村の一員として協力しなければならないことが決して少なくありません。そういった行事に参加し、地域に溶け込むことで村人とのふれあいや信頼関係、お互いの情報交換も出来るのです。
  農業は自分一人では成り立ちません。村の方々との信頼関係を築き上げていくことが大切です。裏を返せば「村づきあい」が出来ない人には農業は難しいでしょう。